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2014年11月1日土曜日

高齢化社会対策の劇薬

以下、メモ。このような少子高齢化推測の資料は、興味のある人にとっては周知のことなのだろうが、日本の新聞雑誌等を手にとることがないわたくしには目新しいのでここに貼付。

2050年と言えば、いま30歳の人が65歳になる頃である。ちょうど今の彼らの両親の年齢になる頃といってよいかもしれない。





このデータはおそらく移民による生産年齢人口増を考慮していないはず。以下に図表の説明がある(共同通信)。


総務省が公表した2013年10月1日時点の人口推計で、働き手の中核となる15~64歳の「生産年齢人口」が32年ぶりに8千万人を下回りました。

 Q 人口推計とは。
 A 全世帯に調査票を渡して人口などを調べる国勢調査は5年に1度だけです。国勢査のない年に、出生児数と死亡者数の差や、出入国者数の変動などから算出するのが人口推計です。

 Q 生産年齢人口が減ったのはなぜですか。
 A 少子化の流れが止まらない上に、1947~49年ごろの第1次ベビーブームに生また「団塊の世代」が65歳に達し高齢化が急速に進んでいるためです。この傾向は今後も続く見通しです。

 Q 生産年齢人口が減るとどうなりますか。
 A 働き手不足が深刻化して日本経済の成長力が低下する懸念があります。国民の豊かさが損なわれるだけでなく、税収が減って公共サービスや社会インフラの整備が滞る可能性もあります。

 Q ほかの影響は。
 A 高齢者が増えて生産年齢人口が減れば、若い世代の社会保障費の負担が重くなります。働く世代を20~64歳、高齢者を65歳以上とした財務省の試算では、12年は働く世代2・4人で高齢者1人の社会保障費を支えていましたが、50年には1・2人で支える時代になる見通しです。

 Q 現行制度を今後も維持できるのですか。
 A 年金支給開始年齢は現在、自営業者らが加入する国民年金の場合は65歳です。会社員の厚生年金は段階的に引き上げている途中で、男性は25年度、女性は30年度から65歳支給となります。この支給開始をさらに遅らせるなどの抑制策が必要との指摘もあります。

 Q 働き手を増やす方策はありますか。
 A 女性やシニア世代の活用が重要です。子育てをしながら女性が働き続けられるよう、学童保育や育児サービスの充実を図るべきでしょう。企業の定年延長も有効な手段となります。

 Q 建設業や介護分野での人手不足は深刻です。
 A 政府は外国人の活用を拡大する方針です。東京五輪が開催される20年までの時限措置として、新興国への技術移転を目的に労働者を受け入れる外国人技能実習制度の期間延長を決めました。安倍晋三首相は、家事支援や介護分野で外国人労働者を受け入れる制度の検討も指示しています。


 Q 移民は受け入れないのですか。
 A 治安悪化や日本人の雇用が長期的に奪われることへの懸念が根強く、政府は慎重姿勢です。ただ経済界などからは、本格的な受け入れが必要との指摘も出ています。

※より詳しくは、国立社会保障・人口問題研究所による「日本の将来推計人口」(2013)がすばらしい。


社会保障給付費の構成は次の通り(厚生労働省)。





高齢化比率に対して、少子化対策で対応できる時期はもうすでに終わったらしい。


河合 対照的に日本は結婚をしないと産まない国といわれていますが,そもそも未婚者がパートナーを見つけにくくなっています。婚外子の多い国はカップルが成立しやすいようですか,なぜなのでしょう。

阿藤 本当に最近の日本はセックスレスどころか「パートナーレス」ですね。もしかしたら,そこが一番のポイントかもしれませんが,一番わからないところでもありますね。ただ,緩少子化国には核家族の文化をもっているという共通点があります。古くから純粋な核家族の文化があったのが,ちょうど北欧,フランスあたりまで,ドイツや南欧は子どもが結婚しても親と住むタイプの家族(拡大家族)の伝統がありますし,中国文化圏の日本,韓国,台湾なども拡大家族の伝統をもちます。

 日本も含めて核家族文化ではない国では親と子のつながりが強く,親の権威が強い。核家族の国ではすべての子どもは未婚の時代に親から離れるので,外に出て自立してパートナーを見つけ,うまく生きていけるように育てるのが親の務めです。そういうわけで同棲・婚外子が拡がっています。しかし親子の関係が強い社会では親は子どもをひきとめ,子どもはそれに甘えてしまう。パラサイトシングルも,そのような文化を抜きにして考えられないですよ。北欧では成人した子が親とずっと一緒に住むなんて,双方生理的に耐えられないでしょう。
……また,選挙で強いのは高齢者福祉で子どもではないのです。そちらのほうにどうしても関心が行ってしまい,そうこうするうちに出生率を取り戻すタイミングを逸してしまったという感じですね。

河合 取り戻すタイミングとは団塊ジュニア世代が出産できた時代のことですね。

阿藤 そうです。第二次ベビーブームで生まれた世代が出産年齢にあるうちに何とかできれば,日本にもチャンスはあるはずでした。その世代が出産できる年齢を過ぎ,本当はあるべき第三次ベビーブームがないことがはっきりした今,日本は,たとえこれから少々出生率が上がっても大勢は変わりません。今後は出産年齢にある人口が減る一方ですから,私たちはこれを少子化スパイラルと呼んできましたが,長期にわたって人口減が続くことはすでに避けられないのです。

働く世代1.2.人で、高齢者1人を支えなくてはならないなどということはどう考えてもありえず、少子化対策もダメ、消費税増も移民もイヤであるなら、高齢者が急激に死んでくれることを期待するよりほかないんじゃないかい? それとも75歳ぐらいまでは働いて税金払ってもらうとかさ。

上にもあるように、選挙では高齢者(高齢者予備軍も含め)が強いに決まってるんだから、社会保障費削減政策なんて実現しようがないだろうからな。

ところで2011年時点での「平均代替率」は82%だったらしい。すなわち、生産年齢人口 1 人当たりの所得は 316 万円であったのに対し、65 歳以上人口 1人当たりの社会保障給付額は 261万円とのこと。

ここでは議論の大枠を踏まえるために、年金、高齢者医療、介護について、平均代替率をど う制御するかで中央・地方政府の基礎的財政収支均衡を維持するための必要な消費税率、さらには国民負担率が長期的に変わってくることを、マクロの視点から試算する。試算上での平均代替率は、65 歳以上人口1人当たりの社会保障給付(65 歳未満への医療給付、雇用保険給付、子ども手当等を除く社会保障給付)の生産年齢人口1人当たりの平均所得(雇用者報酬及び混合所得)に対する比率と定義する。こうして計算された現在の平均代替率は 2011 年度の実績で82.4%である。すなわち、生産年齢人口 1 人当たりの所得は 316 万円であったのに対し、65 歳以上人口 1 人当たりの社会保障給付額は 261 万円だった。(大和総研「DIR30年プロジェクト「超高齢日本の30年展望」」(2013))

これは消費税率、あるいは国民負担率を上げるための議論のなかの記述なのだけれど、いまはその議論を外し、単純化する(他の条件を一定と仮にする)。

上で見たように、現在、生産年齢人口2.4人で高齢者1人を支えなくてはならなく、2050年は生産年齢人口1.2人で高齢者1人を支えることになる。ある時期の高齢者人口/生産年齢人口を基準にして、たとえば現在の平均代替率を基準としたら、2050年には生産年齢人口/高齢者人口比率が半減するのだから、高齢者への社会保障給付額をも半額130万円にするという「スライド」制でも無理矢理つくったらどうだろうかね。まあこれは冗談にしても、日本の袋小路の根源は、少子高齢化にあるので、最近は殆どすべて他の議論はこの派生物でしかないようにさえ思えるな。

冒頭の図と同じデータからの別の図だが、2012年だって目一杯なんだから、2050年の1.2人ってのはすでに上のおじいちゃん、崩れ落ちているにきまってるよ。そのおじいちゃんとは、いま三十代の「きみ」だぜ。




日本の財政は、世界一の超高齢社会の運営をしていくにあたり、極めて低い国民負担率と潤沢な引退層向け社会保障給付という点で最大の問題を抱えてしまっている。つまり、困窮した現役層への移転支出や将来への投資ではなく、引退層への資金移転のために財政赤字が大きいという特徴を有している。(DIR30年プロジェクト「超高齢日本の30年展望」

どうしたらいいだって? 新しい形態の家族=アソシエーションしかないんじゃないかい?

一般に流布している考えとは逆に、後期のマルクスは、コミュニズムを、「アソシエーションのアソシエーション」が資本・国家・共同体にとって代わるということに見いだしていた。彼はこう書いている、《もし連合した協同組合組織諸団体(uninted co-operative societies)が共同のプランにもとづいて全国的生産を調整し、かくてそれを諸団体のコントロールの下におき、資本制生産の宿命である不断の無政府主と周期的変動を終えさせるとすれば、諸君、それは共産主義、“可能なる”共産主義以外の何であろう》(『フランスの内乱』)。この協同組合のアソシエーションは、オーウェン以来のユートピアやアナーキストによって提唱されていたものである。(柄谷行人『トランスクリティーク』)

二十代の連中はだって? 彼らはとっくの昔に開き直ってシオラニストだろ。

@Cioran_Jp: 私が自殺を若い頃から考えてきたのは、人生を自殺の遅延と私が考えているからです。三十を過ぎて自分は生きていないだろうと私は思ってました。臆病だったからではないので、私はいつだって自殺を延期してきた。自殺という考えに私はしがみついてきた。自殺に私は寄生してきたんです。(シオラン)

パラサイト・スーサイド(Parasite Suicide)ってわけさ。

…………

困難な時代には家族の老若男女は協力する。そうでなければ生き残れない。では、家族だけ残って広い社会は消滅するか。そういうことはなかろう。社会と家族の依存と摩擦は、過去と変わらないだろう。ただ、困難な時代には、こいつは信用できるかどうかという人間の鑑別能力が鋭くないと生きてゆけないだろう。これも、すでに方々では実現していることである。

現在のロシアでは、広い大地の家庭菜園と人脈と友情とが家計を支えている。そして、すでにソ連時代に始まることだが、平均寿命はあっという間に一〇歳以上低下した。高齢社会はそういう形で消滅するかもしれない。(中井久夫「親密性と安全性と家計の共有性と」『時のしずく』所収ーー何を今更言ってるんだろう

ここに《あっという間に一〇歳以上低下した》とあるが、これはやや誇張のようだ。



ソ連崩壊以降、驚くべき平均寿命の低下があったとも言えるが、最近の上昇ぶりも目覚しい。

ロシアの人口は、 ソ連邦崩壊直後の 1992 年をピークに減少に転じ、 総人口は 2009 年 1 月までの 17 年間で約 6.6 百万人減少した。2007 年以降、減少幅は縮小し、2009 年には自然減を移民増でカバーして 10.5 千人増と、18 年ぶりに僅かながら人口増を記録した。ようやく長年の人口減少は一服した感があるものの、この主因は移民の流入増であって、長期的な人口減少傾向に終止符が打たれたものかどうかは判然としない。また、平均寿命は 67.9 歳(男性は 61.8 歳、2008 年)と BRICS4ヵ国の中ではインドを若干上回るものの、中国(74 歳)、ブラジル(73 歳)に比してかなり低い。一方で、ロシアの医師数(2008 年)は、人口 1,000 人当り 4.54 人 (日本は 2.15 人) と主要国の中では世界一多い。〔『ロシア連邦の医療』医療経済研究機構 専務理事 岡部 陽二)

『「財政破綻後の日本経済の姿」に関する研究会』では、財政破綻によるハイパーインフレーションをめぐって、次のようなメモがあるを見た(参照:「日本の財政は破綻する」などと言っている悠長な状況ではない?)。

・意外に悪影響の少ない劇薬?
・日本への教訓 – ハイパーインフレ恐るるに足らず?
・むしろ究極の財政再建策として検討すべき?

そしてこの「冷徹な」メンバーの方々はロシアの財政崩壊をも研究されている。

いささか不謹慎な話題かもしれませんが・・・。――旧ソ連が崩壊し、ロシアでは、それまで全国民に医療サービスを政府が提供する体制が実質的に崩壊しました。また、ソ連崩壊後の時期に死亡率が急上昇しました。……[送り状(2)]http://www.carf.e.u-tokyo.ac.jp/research/zaisei/ScenarioCrisis2904pdf.pdf

ーー以下、おそらく肝腎なところは、「オフレコ」なようだ。だが彼らがひそかに期待している「劇薬」の最も顕著な効果は何か? はなんとなく憶測できないでもない。

ひょっとすると、多くの社会は、あるいは政府は、医療のこれ以上の向上をそれほど望んでいないのではないか。平均年齢のこれ以上の延長とそれに伴う医療費の増大とを。各国最近の医療制度改革の本音は経費節約である。数年前わが国のある大蔵大臣が「国民が年金年齢に達した途端に死んでくれたら大蔵省は助かる」と放言し私は眼を丸くしたが誰も問題にしなかった。(中井久夫「医学部というところ」書き下ろし『家族の深淵』1995)

《お元気でいらっしゃいましたか? いちばん心配なのは長生きでございます!》(大江健三郎『懐かしい年への手紙』


…………

もし、現在の傾向をそのまま延ばしてゆけば、二一世紀の家族は、多様化あるいは解体の方向へ向かうということになるだろう。すでに、スウェーデンでは、婚外出産児が過半数を超えたといい、フランスでもそれに近づきつつある、いや超えたともいう。(中井久夫「親密性と安全性と家計の共有性と」より(2000年初出)『時のしずく』所収ーー二十一世紀の歴史の退行と家族、あるいは社会保障

ーーとすこし前に引用したが、フランスも実際に超えたようだ(「少子化を克服したフランス~フランスの人口動態と家族政策~」 第三特別調査室 縄田康光)。




  (「フランスにベビーブーム到来! 日本の未来は?」NTTコム リサーチより)

今やフランスにおける婚外出生比率は 50%を超えている(2007 年) 。事実婚に対する差別が解消されたことが非婚カップルの出産を促し、出生率上昇につながったと言える。一方我が国の婚外出生比率は、2.03%(2007 年)と先進国では異例の低さであり、また同棲している独身者は、男性 1.9%、女性 2.3%にすぎず、 「出産≒結婚」という傾向は大きくは変化していない。ただ、長期的には我が国においても婚外子が増加する傾向にあることから、婚外子が不利益を被ることのないよう議論を深めていく必要がある。(縄田康光少子化を克服したフランス~フランスの人口動態と家族政策~」) 

日本は、パラサイトシングルの国だからな、しかたがないさ! などと言い放つわけにはいかない。、世界の状況は次の通り。





パラサイトシングル率の国際比較


アジア先進諸国だけでなく、イタリアだって、わが日本の味方さ。でも婚外子はかなり遅れをとっているようだな。

イタリアの場合、2000年には婚外子は約10%だったものが07年には20・8%に上昇し、このままの上昇率で行けば、20年には出生児の2人に1人、つまり50%は婚外子になると推定されている。

 この急上昇の原因は、正式な結婚をせずに同棲(どうせい)する男女が増えたことだ。1972年と2008年両年の結婚総数、つまり教会での結婚と市役所での非宗教結婚の合計を比較すると、39万2千件から21万2千件に減少している。この結果、上記の結婚のどちらも行わないで一緒に住んでいる男女のカップル、つまり同棲カップルの総数はイタリア全国で現在63万7千組と推定される。

 わが国でも、夫婦別姓制度が導入されるとこれまでの家族概念が崩れ、同棲カップルが増加し、婚外子の数は欧米並みに急増する可能性がある。(坂本鉄男 イタリア便り 婚外子の急増

同棲比率までここでは貼り付けないが、日本の「男性 1.9%、女性 2.3%」ってあり? カップルは経済単位でもあるけれど、カップルになって困ることってなんだろ? カップルというか同棲してさ。ひょっとして自由に自慰ができなくなることかい?

結婚じゃなくて同棲でもジジェクのいうメカニズムはいっしょだからな、やっぱり同じ女や男じゃ「義務」になり勝ちなのさ。

ラカン派の用語では、結婚は、対象(パートナー)から“彼(彼女)のなかにあって彼(彼女)自身以上のもの”、すなわち対象a(欲望の原因―対象)を消し去ることだ。結婚はパートナーをごくふつうの対象にしてしまう。ロマンティックな恋愛に引き続いた結婚の教訓とは次のようなことである。――あなたはあのひとを熱烈に愛しているのですか? それなら結婚してみなさい、そして彼(彼女)の毎日の生活を見てみましょう、彼(彼女)の下品な癖やら陋劣さ、汚れた下着、いびき等々。結婚の機能とは、性を卑俗化することであり、情熱を拭い去りセックスを退屈な義務にすることである。(ジジェク『LESS THAN NOTHING』(2012) 私訳)

で、どうして海外の若いヤツラは同棲して子供つくっちゃうんだろ。



…………

※附記:「財政破綻後の日本経済の姿」に関する研究会 [論点整理メモ 2]  September 7, 2012: Miwa

*そんなことは誰でも知っている・・・・かもしれない?

・しかし、なかなか話題にならない・・・?――とりわけ、具体的内容を伴う話題とはならない。

・理由?:誰にとっても本格的検討はスタートすることすら容易でない・・・?どのように考えて整理・主張しても、意見の一致は容易には得られない?検討方法すら不明?面倒 ・ ・ ・ ? (バカバカしく阿呆らしい?) ――だから、 誰もが回避したくなる? (誰か ・ ・ ・挑戦してくれないかな・・・と見果てぬ夢を・・・)――そういう状態が続いてきたから、いまさら・・・?――そんな課題に(自らはもちろん、誰かが)挑戦することなど、夢にも見ない?

・ 「政府」の周辺では?――縦割りだから、誰も全体のことは考えない(考えられない)?

ウチだけは大丈夫・・・だと考える(たとえば、社会福祉・医療・教育や農業、対外援助、さらに科学技術の振興など)?だから、これは政治と財務省の検討課題・・・だと無視する?――直接の関係者・担当者は 「考えたくない」 と思っている?1 年や 2 年の在任期間中に急ぐ必要はない・・・?――さらに、周りがそう考えていることもあって実質的なタブー?――さらに、そんな余計なことを考える連中を近づけるな・・・?(自己防御あるいは組織防衛?)――(とはいえ、個人的には深刻な事態だと考えている官僚たちも少なくない・・・?)